中学生小説

思い付きで書いていきます。構想練ったりしていないのでコロコロ書き換えます。ご了承下さい。コメントでアドバイスくれたら嬉しいです。

ネカトイア 第4章 天国

「ねえ、起きて、早く起きて」

目を開くと、僕の事を美少女が必死に起こしている。これは現実なのだろうか。

「早く起きろ」

そう言ってさきに顔を叩かれた。少し痛い、やはり夢ではなかったみたいだ。机の上には現金が置いたままだ。未だに信じられない。

「早く用意して、出掛けるよ」

そう言い、さきは鞄にお金を入れた。僕は洗面所に行って顔を洗い歯を磨いて、服は昨日のスーツのままで外に出た。

「じゃあ行くよ、先にお金返しに行こっか」

僕は消費者金融を周り、借金を返済していった。
あれだけ死ぬほど働いて返せなかった借金が全て返済できた。肩の荷が降りた。
しかし、これで終わりではない。ここから始まるんだ。

「本当にありがとう、昨日は返さなくて良いって言われたけど、絶対返すね」

「だから良いって、それより今から行く所が本命だよ」

そう言うさきに連れられ向かった場所は美容室だった。

「髪の毛切るの?」

僕は不思議に思い聞いた。

「ひろが切るんだよ、ぼさぼさだし、ずっと切ってなかったでしょ」

そう言ってさきは美容室に入ると、奥にいた美容師さんの方に行き、なにやら伝えている。ここからは聞こえないが美容師さんはニヤニヤして頷いている。美容師さんがこっちに来て、

「じゃあこちらの方におかけ下さい、カットの方させて頂きますね」

と言われ、僕は席に着いた。

「じゃあ近くのカフェで待ってるから、終わったら連絡してね」

さきはそう言って出ていった。僕は美容室に来たのが初めてだった。
いつもは近くの床屋で1000円カットして貰っていたぐらい、髪の毛に関して無頓着だった。なんとなく、さきは僕が初めてな事を分かっていたのだろう。店員さんと話して髪型などを決めていてくれたみたいだ。
そして時間が立ち、どうやら終わったみたいだ。
セットまでしていてくれて、自分でも見違えた。
さきに連絡すると外で待っていてくれたみたいで、外に出ると、

「すごくかっこいいじゃん」

僕は嬉しかった。自分に少し自信が持てた気がした。

「じゃあ次の所行くよ」

と言われ、向かった先はアパレルショップだった。
実は僕はこういった所に来るのも初めてだった。
小さい時から親が買ってきた服や近所の子のお下がり、父親のお下がりなどを着ていたからだ。
そこでもさきはいくつか服を持ってきて、それらの服を試着した。

「うん、やっぱり似合うしかっこいい、ひろってスタイルいいね」

そう言って、さきはそのまま服を何着レジに持って行った。
流石になにからなにまでさきにしてもらいすぎだ。

「こんなに買ってもらって申し訳ないよ」

しかし、さきは優しい表情でこう言った。

「私からの誕生日プレゼントだよ、最後にこれ」

そう言って渡された物はライラックの香りの香水だった。

「ひろはこれから人生変えていくんだから、女の子にモテモテの大金持ちになるんだから」

もう既に人生は変えてもらった。
僕にはそんな生活は無理だし必要ない、普通の生活で十分だと伝えると、

「無理じゃない、私がついているんだから大丈夫」

僕はこの時さきは冗談で言っているんだと思っていた。
でもこの日、自分に少し自信がついたのは事実だ。

数日後、さきは僕に女の子の扱い方から、落とすための仕草、言動、様々な事を教えてくれた。
そして、さきは手始めに一人ナンパして成功してくるように言った。

「絶対無理だよ」

「さっき教えた事を実践すれば余裕よ。一番大事なのは自信を持つこと」

僕なんて女の子に告白された事なんて一回もないのに、余裕な訳がない。
そう思い私は嫌な顔をしていると、

「私の言うことなんでも聞くって言ったでしょ」

そう言われると何も返せない。
僕達二人は人通りの多い繁華街へと向かった。
人通りの多い所に着くとさきは僕から離れ、遠くから見ているようだ。
人がたくさん通るが、どうしても声をかけるとなると震える。
そうこうしていると時間だけが過ぎていく。
僕はなんとか勇気を出して大人しそうな一人で歩いている女の子を見つけ、

「あ、あの、おねーさん!」

「どうしました?」

驚いた表情でこちらを見つめている。
そこからはなんとか落ち着いて、さきに教えられた事を一つ一つ試してみた。
するとお茶には行けなかったが、連絡先交換出来たのだ。
僕は自信がついた。
そこから二人目に声をかけるまでに時間はかからなかった。
二人目の子とはそのままお茶をした。
数時間話した後、お会計に向かったのだが、僕は大事なことを忘れていた。お茶までいけるとは思っていなかったから、お金を持ってきていなかった。冷や汗が止まらない。
しかし女の子から、

「今日は楽しかったから、私が奢るよ、また遊んでね」

と言われたのだ。
私は笑顔でありがとうと深々と頭を下げた。
ナンパに成功した上に女の子に奢ってもらったという事実が私にとって、凄く自信になった。
そしてさきと合流し、家に帰った。
そういえば、玄関の花がいつの間にかマーガレットに変わっていた。
部屋に入りソファーに座ると、

「おつかれえ、どーだった?」

「あんなに上手く行くとは思わなかった」

「私の事信じてなかったの?」

実際こんなに上手く行くなんて全く思っていなかった。
さきは本当に僕の事を変えようとしてくれているみたいだ。

「自信がついたよ、ありがとう」

さきは少し嬉しそうな表情だった。
これで終わりだと思っていた。
もう十分だ。さきには普通の生活も自信も貰った。
これ以上なにも変わらなくていい。
しかしさきは少し家を出た後、帰ってくるなりこう言った。

さき「元カノとより戻そうよ」